心は鍛えられるの?

「健全なる精神は、健全なる身体に宿る」という言葉がある。
この言葉の意味をずっと間違って理解していた。。身体が強ければ、心も強くなる、みたいな。

しかし、もともとの言葉は、「健全なる肉体の中に、健全なる心」。「宿る」とはどこにも書いてない。
本当の意味は、「賢明な人間が神に願うのは、健全な精神と健全な肉体、この2つさえあれば、それだけで満足するべきである」というもの。せめて健全な精神と肉体さえあれば、それ以上高望みするなよ、という程度の言葉で、健全な肉体の人が自慢げに言うほどのものでもない。

この言葉のせいで、世の中のアスリート、例えば大坂なおみ選手のようなトップ選手が「うつの症状に悩まされていた」という記事を読むと、あんなに体を鍛えて世界一流の選手がナゼ?と驚いてしまうことがないだろうか。

また、SNSの誹謗中傷で自殺した木村花さんも、女子プロレスラーだったことを考えると、肉体を鍛えること=心が強くなる、とは言えないし間違った考え方だ。

トップアスリートなのだから、メンタルだって強いはずと勝手に思い込んでしまうのだろう。よくよく考えてみれば、試合の上で闘う気力や精神力と、ひとりの人間に戻った時の心の強さは別物であって当たり前。

強そうに見える人が、本当はガラスのような繊細な心を持っていても不思議ではないし、またその逆もしかり。

陸上の為末大さんがこう言っている。「心身ともに強靭なイメージがあるアスリートですが、実際には日常的に強い重圧にさらされており、精神的に不安定です」と。

これって、アスリートだけじゃなく、サラリーマンや学生や主婦や子供たちだって同じこと。
人の心の中は、他人には分からないもの。いつも明るく振る舞っている人が、実は苦しんでいることだってある。

心は鍛えるものではなく、また鍛えられるものではない。心は傷つきやすく壊れやすいもの。

心は、優しく大切に扱うもの。

人に対して、そして自分に対して、そう言い聞かせて生きていきたい。

大坂なおみさんがもしこのブログを読んでくれるなら、以前書いたゲシュタルトの祈りを捧げたい。

これも、ウェルビーイング!

昭和~令和までサラリーマンやってます。心がフッと軽くなる考え方や、元気に生きて行こうという気持ちになるブログを目指してます。誰かのために、もっとWell Being(幸福)な世の中のために!

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