能の世阿弥が書いた「風姿花伝(ふうしかでん)」によると、子どもに能の稽古を教えるのは7歳が適当ということらしい。
現在では、ゼロ歳児教育やら小学校受験まで様々な幼児教育に熱を上げている親が多いので、考え直したほうが良いかも知れない。
世阿弥によると、7歳頃には幼児期の拡散しがちな好奇心もある程度落ち着きを見せ始めている頃であり、その子ならではの興味の方向性や適性も見定めやすくなってくる時期だからだ。
逆に、右も左もわからぬ幼いうちから子どもを「調教」的に教育することは、技能習得だけを考えれば効率的に思えるかも知れないが、本人の中から自然に生まれてくるはずの好奇心や主体性の芽をつむことになる。
つまり、最初のスタートダッシュでは見た目は良いかもしれないが、大人になって凡庸な人にしかならない可能性が高いことと、何より人としての主体性に欠けた大人になるのではないか。
7歳までは目に見える教育ではなく、目に見えない非認知教育(友達と砂場で遊んで協調性を学んだり、相手の気持ちを理解することなど)をしたほうが良いかも知れない。
人生100年時代。
長い目で見て、焦って教育しないことも大事だ。
これも、ウェルビーイング!
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