「忙」という漢字は、心を意味する立心偏「忄」に、「亡」という旁が組み合わさってできている。
では、忙しい時には心を亡くすものだろうか?
普段は落ち着いて人に対して配慮のある人でも、忙しいと普段とは違う行いをするというのは、何となく経験から分かる。
このことを確かめた実験があるそうだ。
プリンストン大学の心理学者ジョン・ダーリーとダニエル・バッソンは、神学部に通う学生にたちに対して、次の時間に行われる談話の会場へ向かうよう、促しの言葉がけをするのだが、会場までの道中に体調が悪く道にうずくまっている仕草をしている仕掛人を配置し、どのような学生が仕掛人を助けようと手を差し伸べるかを調べたのである。
この実験では、学生たちに対して二通りの声かけが行われた。
Aグループの学生に対しては「まだ時間に余裕があるが、そろそろ向かい始めてはどうか」と言い、Bグループの学生に対しては「いけない、もう時間がないから遅れないよう急いで向かうように!」と言ったのである。
そしてその結果、時間に余裕のあるAグループでは63%の学生が仕掛人を助けたのに対し、急いでいたBグループではわずか10%の学生しか仕掛人を助けなかった。
日々忙しいことはあるが、忙しいと心を亡くしてしまうので、心に余裕を持ってすごしたいもの。
これも、ウェルビーイング!
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