「ネガティ・ブケイパビリティ」という言葉を最近知った。たしかにと思う。
ネガティブ・ケイパビリティ(Negative capability)は、19世紀に活躍したイギリスの詩人、ジョン・キーツが発見した。 不確実で、どうにもできない状況だとしても、せっかちに事実や理由を求めることなく、そこに留まって耐える能力を指す。
精神科医で作家の帚木蓬生氏いわく、「すぐ解決できない状況に付き合えるのも、ひとつの能力だと思えると、肝が据わる」とのこと。
人間の脳はわからないものや不確実なもの、予測がつかないものが苦手なので、生半可な意味づけや知識をもって、せっかちに答えを出そうとしてしまいがち。そうすると、複雑なものはすぐに排除され、理解が低い次元に留まってしまい、より高い次元に発展しないと、精神科医の帚木氏は言う。
少し話しは飛躍するが、だからテレビでクイズ番組は大流行りなのだと思う。
クイズが出たら早く答えを知りたい。何でか理由も知りたいと、脳が勝手に思うからだ。こうした脳の特徴をうまく利用して、「正解はCMのあとで」と視聴者を焦らすのだ。
だから、冒頭の「不確実で、どうにもできない状況」があると、脳は早く解決の糸口を見つけたいと思い、心が焦るのだ。
困ったことがあっても焦らない、ジタバタしない能力
(ポイント①)手っ取り早く答えを求めないこと
人間は物事を早く解決したがるのので、ついつい他人に頼ったり、安易な解決策に走りがち。一度立ち止まって自分の心と対話してひと呼吸をおこう。
(ポイント②)考えないで置いておく
働かない息子が心配、酒飲みの夫は今何してるのか、課長のあの言い方がムカツク、などなど。日常でいろんな悩みは誰しもある。でもカッカした状態でジタバタ考えても解決できない。焦ることは良くないので、考えないで大きな流れに身を委ねることも大切。
(ポイント③)芸術に触れる
音楽や絵画などに触れたり、創作活動にはこれといった正解がない。つまり宙ぶらりんの状態のもの。こうしたものに日常触れて「何となくいいなぁ」と思うことも心を豊かにする。
ネガティブ・ケイパビリティ(Negative capability) というアプローチを意識することも、心と付き合うには必要だろう。
私がこのブログで、一休さんの言葉を紹介しているが、それもまさにネガティブケイパビリティだと思う。一休さんのほうが昔から気付いてたことだ。
先人から学ぶことは多いなぁ。
これも、ウェルビーイング!
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