オー・ヘンリーの有名な物語
愛情あふれる夫婦の忖度

貧しいジェイムズ・ディリンガム・ヤング夫妻が、お互いにクリスマスプレゼントを買うお金を工面しようとする。
夫のジムは、祖父から父そして自分へと受け継いだ金の懐中時計を宝物にしていた。
妻のデラは、膝下まで届く美しい髪を持ち、それはまた夫婦の宝物でもあった。
デラは、懐中時計に付けるプラチナの鎖を夫へのプレゼントとして買うために、髪の毛を買い取る商人マダム・ソフロニーの元で宝物の髪をバッサリと切り落として売ってしまう。
一方、夫のジムは、デラが欲しがっていたべっ甲のくしをプレゼントとして買うために、宝物の懐中時計を質に入れてしまっていた。
デラが買ったプラチナの鎖が付くはずだった懐中時計は夫の手元にはすでに無く、ジムが買った鼈甲の櫛が留めるはずだった妻の髪もすでに無く、結局お互いのプレゼントは無駄になってしまった。
だが夫婦は、お互いの「思いやり」をプレゼントとして受け取ることになった。
物語の結末で、この一見愚かな行き違いは、しかし、最も賢明な行為であったと結ばれている。
お互いの「思いやり」をプレゼント。素敵な言葉。
これも、ウェルビーイング!
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