小さなことからコツコツと

西川きよしさん(笑)

最近、年齢を重ねるにつれて強く感じることがある。

それは、人生を本当に豊かにしてくれるものは、決して大きな成功や特別な出来事だけではなく、毎日の中にある小さな行動や小さな心がけの積み重ねなのではないか、ということである。

若い頃の私は、もっと大きな成果を出したい、周りから認められる人間になりたい、何か特別なことを成し遂げたいという気持ちが強かった。もちろん、そのような向上心は人を成長させる大切な力になる。

しかし一方で、大きな結果ばかりを追い求めていると、目の前にある小さな大切なものを見落としてしまうことがある。

私は愚か者だ。

人から何かを言われると素直に受け止められず、「自分のほうが正しい」と思ってしまうこともあった。相手の立場を十分に考える前に、自分の価値観で判断してしまうことも多々ある。

そして後になって、「なぜあんな言い方をしてしまったのだろう」「もう少し相手の気持ちを考えればよかった」と反省することも少なくない。

しかし、そんな未熟な自分だからこそ、最近は小さなことの大切さに気づくようになった。

完璧な人間になろうとするよりも、昨日より少しだけ丁寧に生きることのほうが大切なのではないかと思うようになってきた。おっさんになったのか。

例えば、毎朝マンサンダルを履いてランニングをすること。
一回走ったからといって、急に健康になるわけではない。しかし、今日も走った、昨日も走ったという小さな積み重ねが、少しずつ自分の体を変え、心を整えてくれている。

食事も同じである。
スーパーで惣菜を選ぶとき、ただ空腹を満たすためではなく、「今日はタンパク質を意識しよう」「体が喜ぶものを選ぼう」と考える。その一回一回の小さな選択が、未来の自分の健康をつくっていく。

仕事でも、小さなことの重要性を感じる。
水処理設備の仕事では、大きな装置を安全に動かすために必要なのは、華やかな技術や特別な能力だけではない。配管のわずかな変化を見ること。計器の数値を確認すること。決められた手順を丁寧に守ること。一見すると地味な作業であるけれど。私は直接携わっていないが、特に大事なこと。しかし、その小さな確認を怠らないことが、大きなトラブルを防ぎ、お客様からの信頼につながっていく。

人間関係も同じなのだと思う。
相手に「ありがとう」と伝えること話を最後まで聞くこと。約束したことを守ること。困っている人に少し声をかけること。一つひとつは小さな行動であり、誰からも大きく評価されることではないかもしれない。しかし、そうした小さな積み重ねこそが、その人の人柄をつくっていく。

仏教では、自分の心の動きに気づくことを大切にしている。

「今、自分は怒っているな。」「今、自分は認められたいと思っているな。」そんな自分の未熟さに気づくことが、変化の第一歩になる。私は、欲もあれば、怒りもある。自分中心に考えてしまうこともある。

大所高所から俯瞰することも大事だけれど、自分は愚か者と思って、小さなことをコツコツやったほうがいいと思う。

これも、ウェルビーイング!

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