起源1世紀のローマの政治家・哲学者であったルキウス・アンナエウス・セネカの言葉。

古代ローマの哲学者セネカは、「私たちは現実よりも想像の中で苦しむことの方が多い」という意味の言葉を残している。
この言葉は、特に現代を生きる私たちにも驚くほど当てはまる。
例えば昔の人は、掃除・洗濯・料理など生活が物理的に忙しかっただろうし、米や野菜を自分で作っていたので肉体的にもへとへとで、日が暮れたら夕食を食べて寝るだけというシンプルな生活だったように思う。
なので、「あーだ、こーだ」というくだらない妄想に悩まされることは少なかったのではないか。今は暇を持て余すから、現実に起きていない妄想で頭がおかしくなってしまいがちだ。
また、例えば、会社で上司から「あとで少し話がある」と言われると、「怒られるのではないか」「評価が下がったのではないか」と勝手に不安を膨らませてしまう。しかし、実際には「新しい仕事をお願いしたい」「頑張っているから任せたい」という話だった、ということは少なくない。
健康も同じだ。少し体調が悪いだけで、インターネットを見て「重い病気かもしれない」と不安になる。ところが病院で診てもらえば、「少し疲れていますね」で終わることもある。
つまり、私たちは現実そのものではなく、「まだ起きていない未来」を頭の中で作り上げ、その想像に苦しめられているのである。
もちろん、将来に備えることは大切だ。しかし、備えることと、不安を育てることは違う。不安は、考え続けても小さくならない。むしろ大きくなっていく。
そんな時は、自分に問いかけてみるとよい。
「これは本当に起きている事実なのか。それとも、私の想像なのか。」
この一言だけで、心が少し軽くなることがある。
私たちが生きているのは、「今、この瞬間」である。未来はまだ来ていない。だからこそ、まだ来ていない苦しみまで今日引き受ける必要はない。
セネカの言葉は約二千年前のものだが、情報があふれ、不安が増幅されやすい現代だからこそ、その価値はますます大きくなっているように思う。
今日という一日を大切に生きる。それだけで、人生の重荷はずいぶん軽くなる。
これも、ウェルビーイング!



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