言うは易し、かもしれないが本当に大事なことと思う。

「あれが欲しい、これが欲しい、こうなりたい、ああなりたい、、」人は欲望の塊だと思うけれど、冷静に考えてみて、そもそも『何かを得ること＝幸せ』という方程式自体は正しいのか？とも思う、

何かを得たら「まだまだ、、」「もっともっと、、」となりがちにならないだろうか？いつまでたっても満足することはなく、死ぬまで欲望にまみれて死んでいく。これがこの方程式。

一方、逆の方程式を唱えたのがお釈迦様。『捨てること＝幸せ』と言っている。少し冷静になって考えてみたい。

「私」を捨てる道

アルボムッレ・スマナサーラ長老

様々な道徳や宗教で、怒ってはいけない、嫉妬してはいけない、欲張ってはいけない、と言っています。でも怒りたくなる気持ちはどうすればなくなるか、嫉妬しない為にどうすればいいかという解決方法は教えていません。ただ単に、いい人間になれと命令するだけです。
　
お釈迦さまは違います。欲や怒りや嫉妬を無くすために、科学的な研究方法で、自分の心を客観的にありのまま観てみなさいと教えるのです。どんなカラクリで不幸の原因が生まれてくるかということは、自分の心を観て研究すればわかります。「私」という概念、「私がいる」という実感は幻覚・妄想であり、一時的な現象に過ぎないことは、心を観察すればわかるのです。それで一切の問題は解決します。
　
「私」が消えたらすべての苦しみから脱出できる。自我意識をなくせば、心にやすらぎが生まれる。他と比べる競争心がなくなったら憎しみ、怒り、欲が消える。落ち込み、舞い上がり、悔しいという気持ちもなくなる。そういう状態が心のやすらぎというのです。
　
しかし各人が私という実感を持っているのですから、それぞれの人が各自で研究しなくてはいけない。「私」という錯覚を一度に消せればありがたいですが、生命は長い時間、「私」という幻覚を守るためにがんばってきたので、時間をかけなければちょっと難しいのです。
　
また、人々は本当のところは真理や心のやすらぎを探しているわけではなく、ただ日常生活のトラブルの反動で、精神的なことも探求してみたくなるのです。だから仏道を歩んで、いくらか心が落ち着いてくると、また自我を肯定する道を探し始めるのです。人間にはそういう弱みがあることも、自覚しておきましょう。

（引用）

孫は０歳児だけれど、孫が私と同じ６０歳になった時に、０歳の「私」と６０歳の「私」は同じと言えるのだろうか？まったく違う人間だろう。

頭では分かっても、、という話しかもしれないが、こんな考えもあることを頭の片隅においていくと良いのではないかと思う。

これも、ウェルビーイング！