ロールレタリング(Role Lettering)とは、「役割交換書簡法」とも呼ばれる心理療法の一つ。自分と他者の間で手紙を書き交わすことで、双方の立場や気持ちを理解し、問題解決を図る手法のこと。
具体的には特定の相手に手紙を書き、今度はそれを受け取った相手になり切って自分に対する返事を書くといったように一人二役で文通を行う方法。
もともとは、少年院の教官であった和田秀隆氏が、出院間際に突然母親から引き受けを拒否されて荒れ狂う少年に対して、心の安定を図るため、「少年から母親あて」「母親の立場になって自分宛て」の往復書簡を書かせたことに端を発している。
つまり実際に相手に手紙を出すわけでは無く、自分が相手になりきって返事も各という手法。
(例)ロールレタリングの具体例
テーマ:「職場で自分の成果を横取りした上司へ」
【1通目:自分から上司へ】
山田部長へ
あなたのことを許すことができません。私が3ヶ月かけて作り上げたプロジェクト案を、あたかも自分のアイデアのように発表したあなたが憎いです。
眠れない夜も我慢して作った企画です。チームのみんなと何度も話し合って、改良を重ねてきました。それなのに、なぜ私の名前を出さずに発表したのですか?
「良い案だから、部長から発表した方が通りやすい」という言い訳も納得できません。せめて私の名前を出してくれれば、これほど怒りはなかったはずです。
信頼していただけに、裏切られた気持ちでいっぱいです。もう二度と、あなたには期待できません。
田中より
【2通目:上司から自分へ】
田中君へ
君の怒りはもっともだと思います。確かに、私のやり方は配慮に欠けていました。
実は、君の企画に大きな可能性を感じていたんです。だからこそ、確実に通したかった。部長という立場を利用して、企画を通すことだけを考えてしまい、君の気持ちを踏みにじってしまいました。
若い社員の成長を支援するべき立場でありながら、逆に君の意欲を削いでしまった。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
これからは、君の功績はしっかりと認めていきます。どうか、もう一度チャンスをください。
山田より
【3通目:振り返りの手紙】
今、両方の手紙を書き終えて、少し気持ちが落ち着いてきました。上司の立場で考えてみると、企画を通すことへの責任感もあったのかもしれません。
でも、それは私の努力を認めないことの言い訳にはなりません。今度、機会を見つけて、きちんと話し合いをしてみようと思います。
この怒りの感情を認識できたことで、今後同じような状況になったとき、適切に自分の気持ちを伝えられそうです。
このように、相手の立場に立って考えることで、新しい視点や解決策が見えてくることがあることがポイントなんだと思う。
手段はいろいろあるけれど、物事の解決にはメタ認知が大事だと思う。
これも、ウェルビーイング!
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