健康寿命も大事だけれど、これからは貢献寿命。初めて知った。
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(引用)
「人生100年時代」という言葉がすっかり定着した。しかし、それだけの長寿の可能性ある人生の歩み方、その時代に相応しい社会の創り方が不透明なままである。
ただ長生きするのではなく、”より良く”長生きできるようにするには、何を意識して、何を目標に日々取り組めばよいか、その提案が待たれている。その答えとして本プロジェクトが提案するのが「貢献寿命」の延伸である。
平均寿命および健康寿命の延伸の結果として、「社会とつながり役割を持ち、誰かの役に立つ、感謝されるといった関わりを持ち続けられる自分の老後の生き方」を追究することが高齢期の新たな目標に相応しい。この概念の指標と尺度の開発を行い、個人のみならず社会全体に広げていくことの価値は大きいと考える。
世阿弥の最初の能芸論である『風姿花伝』からの20年余りの時を経て、悟り得たことを集成した秘伝書である『花鏡』には、あらゆる能芸の根源をなす一句として「初心忘るべからず」ということを伝えている9)。この「初心忘るべからず」という一句の中には、「初心の頃から老後に至るまでのその時々の年齢に合った風体を習得していくこと」、そして「老後においてもその風体に似合うことを習う老後の初心を持つことで芸は上達するばかりとなる」という能芸論も含まれる。
齢を重ねていくどこかの時点に安住し、その時々の初心を持つことを忘れてしまうと、芸はそこから下降し始める。高齢期における貢献を哲学し、社会とのつながりの在り方を考え、新しいテクノロジーや思想を咀嚼していくことも含めて、初めて生きる老後に挑み続けることであり、まさに老後の花を咲かせるための「老後の初心を忘るべからず」であろう。定年退職時を人生の頂点と捉えて老後の初心を忘れてしまうと、そこから芸は下降し老化も進んでいくことになる。
その時代の哲学やテクノロジーは続く時代に常に更新されていく。「老後の初心」を追究し、実践し、続く世代に伝えようとする思想を広げることへの取り組み、それこそが本プロジェクトがこれからの社会に残す本質的な意義であろう。
若者も高齢者も心得ておくと良いと思う。
これも、ウェルビーイング!
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