「これは会社の方針だから」とか「上が言ってることだから従え」と言う上司はいないだろうか。
上司じゃなくても、親が子どもに対して「お父さんがダメって言ってるからダメ」とか言ったりすることもある。
「上が言っていることだから」と、何でも上のせいにしてしまうのは、「自分のことは、恨むなよ。恨むならその上を恨んでくれ」という卑怯な態度の現れ。また、虎の威を借る狐と一緒で、上役の権力を盾にして優位な立場に立ちたいのだろう。
このセリフは、実は大変強力なパワーワードだ。何せ、部下が何を言っても、その言葉さえ使えば、部下の追及をかわすことができるし、部下が上司に疑問や質問を投げかけても、「それは上が決めたことだから」「上が言っているからね」と言ってしまえば、部下は納得せざるを得ない。つまり、部下をねじ伏せるパワーワード。
こうして部下を支配下におきたいという欲求は、自分が優位に立ちたい、相手を思い通りにしたいという自己愛型の上司にありがちだ。
でも、納得できない部下は、黙っているしかないのだろうか?
上司を疑うように「でも、それ本当に上が言ってるんですかぁ?私が直接確認してみいいですかぁ?」と言うと余計に関係が悪化しこじれてしまうだろう。
では、この状況ではどのように質問すればいいのか?
「あなたはどう思っているのですか?」
「上の意見はわかりましたが、あなたはどう思っているのですか?」と、上司に直接聞いてみること。「そんなこと上司に聞けるわけがない」と思うかもしれないが、聞き方さえ注意すれば上司を怒らせることはない。
「この件に関して、私は疑問があるのですが○○課長自身はどんなふうにお考えですか?」
という聞き方ならば、相手が不快に感じることはないだろうし、相手に配慮した聞き方をすれば、上司の方でも次からは安易に「上が言っていることだから」という言葉は使いづらくなるという効果もある。
以前このブログでも書いたが、相手の気持ちを尊重しつつ、自分の意見を素直に伝え、お互いWin-Winの状況を作ること。それがアサーティブなコミュニケーション。
このスキルで理不尽なことを言ってくる人に対しても、相手の攻撃を抑えていくことも大事だと思う。
これも、ウェルビーイング!
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